県内コーヒー栽培生産者の皆様へ

≪緊急速報です≫
病害虫発生予察特殊報について令和5年度病害虫発生予察特殊報第4号を発表したので送付します。

1 害 虫 名 : ビサヤアカアシカタゾウムシ

2 学 名 : Metapocyrtus adspersus (Waterhouse)

3 発 生 地 域 : 沖縄本島

4 発 生 作 物 : 果樹類(コーヒーノキ、カンキツ類、マンゴー、パッションフルーツなど)

5 発 生 確 認 の 経 緯
令和 4 年 6 月に糸満市の果樹栽培施設において、コーヒーノキ苗を食害するゾウムシが確認された(図1)。その後、カンキツ類、マンゴー、パッションフルーツなど果樹類に発生するゾウムシが沖縄本島各地で確認されるようになったことから、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 植物防疫研究部門 吉武 啓 博士に同定依頼した結果、ゾウムシ科ビサヤアカアシカタゾウムシであると同定された。発生状況について、沖縄本島、宮古島、石垣島の果樹類等を調査したところ、沖縄本島のみで確認されたが、今後未発生地への分布拡大および被害が懸念される。

6 分 布
本種はフィリピン原産で、2000 年代初頭にマレーシアに侵入したと考えられている。その後2018 年にシンガポールで確認された。本県では 2018 年に那覇市の公園で初確認された。その後 2019 年に沖縄本島中南部で記録され、今回の調査で新たに北部の分布が追加された。

7 被 害
本種は広食性で、これまで確認された果樹は、コーヒーノキ(図3)、シークヮーサー(図4)、タンカン、マンゴー(図5)、パッションフルーツ、アボカド、ビワで新葉を中心に食害することが観察されたが、経済的被害は確認されていない。今回の調査では果樹以外に、ニガウリ、アカギ、イスノキ、スズメナスビ、シマイズセンリョウ、モクタチバナでも食害が確認された。その他、上記公園で 8 科 9 種が記録されている。これまで発生地で果樹害虫としての報告はない。

「ビサヤアカアシカタゾウムシに関する詳細情報」はこちら
https://www.pref.okinawa.jp/site/norin/byogaichubojo/documents/r5_tokusyu4.pdf

合わせて、こちらの「月間むし」のページもご確認下さいませ。
http://mushi-sha.life.coocan.jp/gekkanmushi-new.htm

一般社団法人沖縄コーヒー協会研究室より


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